山頂は雲の中 ~ 蔵王山ヒルクライムチャレンジ
年もあけて寒さも極まり、本格的な冬真っ只中。
仕事から帰宅したあとの冷え切った部屋の中では、ローラー台を回すことすら辛く感じる今日この頃。
温暖な静岡生まれで且つ痩せ型体型な自分にとって、茨城の冬に自転車に
乗るのは大変エネルギーが要ることです。
さて、こんなに寒くては外へ走りに行くなんてもってのほかなので、ここは溜まっているネタ消化をしようと思います。
今回のネタは過酷なヒルクライムコースの一つとして有名な蔵王山のヒルクライムチャレンジについて。
来たる2016年7月。
会社の夏休みを利用して3連休を作り、いつも通り格安温泉宿を探してルートラボでサクッとコースを設定。今回の宿は南仙台の秋保温泉に決定。
片道約45km、往復約90km。移動の5割くらいは坂を登っているコース設定。
しかもそのほとんどが蔵王山。間違いなく今までで一番辛い…。
蔵王山の標高のせいでほかがフラットに見えますが、実際にはちょっとした山を2つくらい乗り越えてやっと蔵王山の麓って感じです。
半分心配、半分ワクワクしつつ、当日は朝6:00出発。
常磐道~東北道と愛車のWRXを唸らせ、約3時間ほどで南仙台に到着。
宿の人に了解を取り、チェックイン前だけど車を置かせてもらえることに。
ちゃちゃっと自転車をセッティング。
↑なんかハンドルについているな?
今回はハンドルにアクションカム「SONY HDR-AS30V」を取り付けています。
PWT製ライトマウントを進行方向とは逆向きに付け、更にAS30Vの自転車用マウンターも逆向きに付けています。
すると、次のような写真を撮ることができます。
ハンドルやサイコンまで写すことができます。
ただ単に風景を撮るより、実際に自転車を操作している様子が撮れて一味違う車載動画になるかと思います。
またHDR-AS30Vは動画だけでなく静止画も撮れ、定期的にシャッターを切るインターバル撮影ができます。コレを使えば、程々バッテリーを節約しつつ走行記録が取れます。GPSで位置情報もバッチリ。
(この間の記事で書いたように、Wifi設定をつけっぱなしにしなければですけどね…。)
さて、秋保温泉を出発してものの数kmで早速登坂が発生します。
それもゆる~い坂ではなく割とキツめの。心拍を上げるにはもってこいと考えればちょっとポジティブ。上の写真も開始早々の登坂の一部です。キツイです…。
↑あぁ、やっと坂が終わる…!
↑グーっと坂を下って
↑ちょっと登ると
↑ダムにたどり着きます。
ここは釜房湖という湖らしいです。
釜房湖からはしばらく平坦が続きます。平和だぁ。
↑うーん曇り。
湖を越えて川崎バイパスを走り、「逆さイチョウ」なる場所を左折します。
そこからは第二の登坂が始まります。
登りと下りの複合の後、7kmほどの登坂が始まります。
ここの登坂は最後の最後か勾配がきつくなっています。
↑青根温泉あたりは勾配6.3%。
↑8%超えでヒィヒィ言ってます。
登坂の途中、ちょっとした休憩ポイントを発見。
足湯もあるみたいで、おばちゃんが休んでいました。
ちょっと一休さん。
せっかくなので、冷たい水で手を洗って涼んでいきます。
↑写真を取っていたら後ろをANCHORのにーちゃんが走っていきました
「ちょっと一休さん」の看板を通り過ぎると山のピークに差し掛かります。
そこからは蔵王山入り口まで一気に下ります。
↑やっとこさ2つ目の登坂を超えて蔵王町に突入です。
急カーブを抜けて…
↑攻めたくなる良いカーブ
森を抜けると…
↑漕がなくても楽に40km/hを超えます。
ついに蔵王山入口に到着です。ここに来るまで散々坂を登ってきましたけど、こっからが本番です。
↑山頂が雲の中で軽く絶望
スタートして2kmほどで、いきなり10%超えの登坂が始まります。
↑写真でもわかるほどの斜度の変わり様
蔵王山は距離にして約16km。その前半は少なくとも斜度7%、平均して10%がひたすら続きます。プロ選手やガチヒルクライマーはこのレベルの坂をグングン進んでいくんだからすごい。
あまりにきつくて写真を撮ってる余裕がありませんでした。
↑すでに時速は12km/h程度…。
登り始めて7kmほどのところでしょうか。
少し開けたところがあったので足を止めて休憩。「足をつかずに」なんて事は言ってられません。もう登りきれれば十分です。
更に進んで麓から8km付近。急に視界が悪くなり始めました。
いよいよ雲の中に突入です。体温低下を防ぐため、アームカバーとレッグカバーをつけます。
↑視界が悪くてまさに先行き不安
と、9km地点で蕎麦屋を見つけました。
あまりの寒さに暖を取るため、蕎麦屋に突入。温かいお茶をゴクゴク飲み体を温めます。糖分はあまり摂れないですが嬉しい補給です。
蕎麦を食べたらまた山頂を目指して走り出します。
ちょうどこの蕎麦屋が登坂の中腹地点といったところで、あと8〜9kmほどあります。
ここからは前半よりもやや傾斜は落ち着きますが、それでも6%は超えていますので疲労の溜まった脚には堪えます。
風景は次第変わっていき、森林限界に突入します。
強風にさらされて出来た旗状樹形や、矮性化したミヤマヤナギが独特の景観を作り出しています。
あぁ、大学院時代を思い出す風景だなぁっと。
(なお余裕が無くて写真は残っていません…。)
そんなことを考えながら、平均速度10km/hでゆっくりと登っていくと少しずつ道路が平坦に近づきます。
登坂の終わりを感じつつ進むと、ついに蔵王山山頂に到着です。
↑サングラスはオークリーのストレートジャケットです(レンズ度入り)。
ここまで登ってきたか〜と感傷に浸りつつ、記念撮影。
というわけで、県境を跨いだ記念を。
運良く雲が切れてちょっとだけ下界が見えたので撮影。
天気がもっと良ければ、一眼担いで登ってきてもいいかもしれません。
重量アップは厳しいですけどね…。
↑ほんの数分だけ 雲が切れました。そしてすぐまた雲の中へ。
ちなみに蔵王山のレストハウスは自動車専用道路の先にあるため、自転車は引き返すしかありません。
ダウンヒルの準備をして早速戻ります。
カメラを動画モードに切り替え、ダウンヒルの撮影準備。
降る車がいなくなったのを見計らって出発です。
下りは登りのキツさを癒すかのような軽快な下り坂です。
「下りは登った後のご褒美」とは俺の言葉。
時速40kmオーバーはザラで、中腹以下の10%超え区間は70km/hを超えたりなんかもします。
平日の車が少ない時期にヒルクライムをやる理由の一つに、車の少なさがあります。
急坂時の蛇行走行や安全なダウンヒルのためには、リスクはできる限り減らしておきたいですね。
だいたい20分ほどで山麓まで帰ってきました。
ここからやっと折り返し地点。またちょっとした山を2つほど超えるルートで帰ります。
せっかくなので往路とは違うルートで帰りました。遠刈田温泉を通るルートです。
あれ、遠刈田温泉に宿を取れば良かったんじゃ…。いやいや、そしたら90kmコース設定できないですもんね。蔵王山のヒルクライムだけに焦点を絞ったツーリングなら良い選択かもしれません。
遠刈田温泉を抜けてまた坂を登り…
杉林を下り…
田園風景の平坦を抜け…
川崎町を抜けると…
釜房ダムまで戻ってきました。
往路のときに下った坂を越えれば…
ようやくスタート地点の秋保温泉に到着。ちゃんと帰ってこれました。
ほぼ半日、大部分が登坂のコースをなんとかクリアすることができました。
宿についたらすぐさま温泉!!!
自転車に乗って疲れた身体を温泉で癒やす。コレがたまらなく気持ちいい。
ジワジワと脚の疲労がとれていきます。
↑本日のお宿です。温泉がいっぱいあります。
温泉に入って夕食を食べたらあとは即寝です。
チェックアウトギリギリまで寝ていました。
翌日は名物の牛タン定食を食べてお帰りです。
↑とりあえず一番高いメニューを注文。厚さと柔らかさがその辺のとは段違い。美味すぎる…!
今回のツーリング、これほどキツイコースは今までなかったと思いました。
やはり蔵王山の難易度は高いです。あのコースを完走するだけでも賞賛モノだと思います。
でもまた走りに行きたくなってしまうんですね。今年も行きます、仙台。
牛タン美味しいしね!!!