キリストの墓まで600km自走しようとしたけど失敗した話 Part.4

茨城~青森600km走れなかったライド。実走編その3。

 

 

 

茨城をスタートからほぼ24時間。

仙台を超えたところで左膝が痛みだし、だましだまし走るもついには

歩くこともままならず。

深夜の国道4号で、志半ばのリタイア宣言。

 

今回はネットカフェで夜を明かしたところから。

 

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前回の記事はこちらからどうぞ。

 

fukahire4031.hatenablog.jp

 

 

熟睡とは程遠い、狭いリクライニングシートからの目覚め。

それでも、仕切られた自分だけの空間で眠れたことで、スーパー銭湯での

仮眠より格段に休めた感じ。

 

そして膝は…。

まだ痛い。昨夜よりはマシだけど、左脚はほぼ飾りの状態。

 

 

 

さて、ここからどうするか。

真っ先に思い浮かんだのは仙台駅まで戻って輪行で帰ること。

完走はまず無理だし、膝の様子からしても引き返すのがおそらく得策。

 

 

 

でも、選んだのはプランB。

すなわち、走れるところまで走る。

仙台から先の道は、まだ走ったことのない景色。

膝の痛みや完走という記録よりも、好奇心が勝ってしまった。

ゆっくりでいい。のんびり景色を楽しみながら行けるところまで行って、

その後は八戸まで輪行すればいい。

 

そう、すべては「キリストの墓」を見るために…!

 

 

***

 

そんなわけで、気持ちを整理し、国道4号をふたたび北上。

昨晩折り返してきた道をもう一度走ります。

 

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それにしても、2回の深夜ライドを経験すると、日が差す明るい朝方のライドが

なんと清々しく快適なことか。

暗闇の中の緊張感や、景色が見えない単調さ。そして体力を奪う冷え込み。

日が昇るだけで幸せを感じることができるってのは、普段の日常では案外

ありそうで無い経験じゃないかと思います。

 

 

なんて思いながら走ってると、目の前がだんだん白く…。

いえ、気を失ってるわけではありません。霧です。

地図で見ると、富谷市は盆地のようになっており、川も流れています。

やはりこういう地形だと霧が発生し、冷気が貯まるようです。

ここでも手ぬぐいが大活躍。首を温めて身体の冷えを防ぎます。 

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オアシスとは。

 

 

 

途中の「道の駅三本木」で小休憩。

といっても、ここに着く間でもちょいちょい休憩して膝を休めてます。

道中、気持ちサドルを下げたところ膝の痛みがだいぶ軽減されました。

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道の駅三本木を出発し大崎市へ入る頃には、日もだいぶ昇り霧はどこかへ。

時刻は10:00。道路沿いの店が開店し始めました。

昨晩買うことができなかった鎮痛剤を探します。

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バンテーリン!!

ようやく見つけた鎮痛剤。レジを出て速攻でパッケージを開け左膝に塗ります。

これで少しは改善できれば…。

 

 

 

市街地からだんだんと離れるに連れ、あたりは生い茂る草木と水田風景に。

初夏の景色が作り出す、生命力あふれる雰囲気は精神に元気を与えてくれます。

この時期にツーリングで出ないのは実にもったいない!

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しばらく走っていると、ランドナーの方に遭遇。

たしか、丸石のエンペラーだったかと。

ランドナーの旅情あふれるスタイルも大好きです。

大学時代に所属していた自転車部の先輩が乗っていたのもエンペラーでした。

しばらく同じようなペースで走っていましたが、膝を壊していることを伝え、

先に行ってもらいました。

この方は一体どこまで行ったんでしょうか。ぜひお気をつけて。

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走り始めて約4時間、走行距離は約60km。

また膝を休めるために休憩。

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ふと、今回の装備を見直してみることに。やっぱり、重量配分がかなりリア寄り。

自転車はもともとリアヘビーな乗り物であり、そこに大型サドルバッグを

つけることで、重量配分が極端に偏ってしまいます。

ライトやサイコンと干渉はあるが、ハンドルバーバッグを採用して

重量配分の見直しをしてみたいところです。

 

 

 

 

 

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遠くには雪が残る栗駒山

 

 

 

えっちらおっちらペダルを回し、先へ進んでいきます。

70kmあたりからは3kmで約100mUPの登坂。

インナーローで、ほぼ右脚だけの力で登っていきます。

8%を超える区間はもはや止まりそうなレベル…。

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そして、

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人生初の岩手県

この新しい地域に足を踏み入れる瞬間、どんなRPGをも超える体験だと思います。

それと同時に、もうこれ以上走れないという・・・達成感。

 

「八戸まで走りきれなかった」ではなく「岩手までたどり着けた」と

気持ちを切り替えることにする。

 

 

 

***

 

 

県境から山を下り、一ノ関駅へ。

ここから八戸まで輪行します。

そう、忘れていはいけません。本当の目的はキリストの墓

まだまだ道中なんです。

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その前に腹ごしらえ。

駅前で見つけた蕎麦屋、「そばはな」さんでとろろそば大盛りを注文。

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熱気満ちる外から涼しい店内へ。

からの、ひんやりとした蕎麦ののどごし!

とろろの甘みと合わさって実にうまぁい。

 

 

 

蕎麦を待っている間、駅周辺の地図を見ていたところ、

いくつか石碑があることを発見。

それすなわち、奥の細道の石碑なり。

芭蕉曾良が平泉を訪れる際に宿泊したのが一ノ関とのこと。

・・・、奥の細道ライドという電波を受信したぞ。

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さて、蕎麦でお腹も膨れたことだし輪行の準備。

ぱぱっとばらしてパッキング。チケットを買って東北新幹線へ。

自転車を担いでの駅ホームの階段がめちゃくちゃ辛かったです…。

左脚を伸ばした状態で踏ん張ると激痛が。1段1段足を揃えながら、右脚で踏ん張る

形で移動しました。

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盛岡でやまびこからはやぶさへ乗り換え。

なお車内では爆睡。寝過ごして函館まで行ってしまわなくてよかった…。

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***

 

 

八戸についたのは16:00頃。

駅すぐ近くの東横インへチェックイン。

ちなみに予約は蕎麦を食べているときに取りました。

こんな直前でもスマホをポチッと一発で宿が取れるとは、いやはや便利な世の中に。

 

 

チェックイン後はすぐさま風呂の準備。

お湯を貯めている間に今日着たジャージをコインランドリーへ。

洗濯が終わる1時間程度、ゆっくり湯船に使ってリフレッシュ。

風呂はいいね。風呂は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。

そう感じないか?碇シンジくん

 

 

 

そして、風呂を出たあとは膝をアイシング。

ホテルには大抵、自販機の横やロビーなどどこかしらに製氷機が置いてあります。

それを利用し、ビニール袋に水と氷を入れて簡易氷嚢の出来上がり。

もしツーリング中に膝に違和感が出たらお試しあれ。

 

 

 

洗濯を終え、なんやかんやのんびりしていたら20:00。

アイシングしながら宿近くの居酒屋を探していたところ、

少し離れたところに郷土料理屋を発見。

ということで、青森の郷土料理を楽しめる「えびす家」さんへ。

タクシーから降りたサラリーマンたちがいい味を醸し出している。

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東北に来たら日本酒を頼まざるを得ない!

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メニューにあった「地酒お試しセット」を注文。

ラインナップされている好きな銘柄3種を1杯ずつ楽しめる、

日本酒初心者には嬉しいメニュー。

今回は「八仙」「作田」「南部美人」を注文。

これが美味しいのなんのって。グイグイ飲めてしまう危険なうまさやばいやばい。

そしてこのイカ刺しとの相性が抜群すぎて感動。

 

もうこれだけで来てよかったと思えるレベル。

 

 

 

 

さらに、「郷土料理定食セット」も注文。

サバ焼きとせんべい汁がついた、青森感MAXのメニュー。

ちなみにスルメイカとサバは八戸の特産品。こんな美味しいものをすぐ食べられる

八戸市民はずるい。

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f:id:shimesaba4031:20190725223512j:plainせんべい汁は初体験。

もっとべちゃっとしているのかと思ったら、歯ごたえのあるお麩といった感じ。

噛みしめるたびにあふれるダシと、せんべいの香ばしい風味が合わさって

大変風味豊か。

 

 

 

青森の料理に胃袋をすっかり魅了され、満腹となったところでお店をあとに。

カウンターにはたーくさんメニューがあったので、また来たいところです。

 

 

 

このあとは、宿に戻って再びアイシングしつつ就寝。

程よく日本酒も回ってほぼ即寝。

痛みを我慢しながらの85kmはなかなか辛い道中ではありましたが、

岩手にたどり着いたときの達成感や、青森の郷土料理の美味しさを体験して、

仙台で引き返さずに本当に良かったと思います。

 

 

 

次はいよいよ本来の目的地、キリストの墓へ。

果たして本当にキリストは眠っているのか。

それを自分の目で確かめなければ、このツーリングは終わりではない…!

 

 

つづく。