キリストの墓まで600km自走しようとしたけど失敗した話 Part.5
5/19、6:00。
宿の窓から覗く天気は…晴れ。
遠くに見える山の中に、今回の目的地、キリストの墓がある…。
「ゴルゴダの丘で処刑されたのはキリストではなく弟のイスキリであり、
本人は106歳まで生き天寿を全うした。」
果たしてその伝説は本当なのか。キリストは本当に眠っているのか!?
我々はその謎を解き明かすべく青森の奥地へと向かった!!!!
宿でのんびり朝食を食べ、荷物をまとめてチェックアウト。
そのため、着替えや輪行道具はすべて駅のコインロッカーへ。
フレームバッグに必要最小限の荷物を入れて出発。
あぁ、サドルバッグがないだけでこんなに楽とは。
この日も膝の調子は相変わらず。
左脚は添えるだけ。右脚が7~8割仕事をしている状態。
向かい風の影響もあって、速度は20km/h前後。
ま、時間もいっぱいありますし、ゆっくりのどかな風景を楽しみながら
先へ進みます。
ルートは八戸駅からひたすら国道454号を内陸に向かって進む形。
途中国道4号と並行している箇所もあり、そこは約4%&1.5~2kmの登坂。
ゆーっくりゆーっくり登っていきます。
はい、おそい車です。
坂を登ったあとも淡々と国道454号。
脇のノボリから分かる通り、向かい風が増してきています。
きた!!これですよこれ!
いなk…のどかな町並みにほぼ必ずあるこの看板。
今回も道中でちょくちょく見かけました。
青森のこの地にあると、なんだかスペッシャル感があります。(ない。)
たまねぎ…いや、これはにんにぐ!!!
にんにくは青森県の特産品の一つで、生産量が日本一なんだと。
きっとにんにく料理専門店なんかもあるんだろう…。
にんにくのライブ感を味わってみたかった。
これは…廃校となった小学校か。
にしても、校庭が妙に白い。
おおっ、たんぽぽの綿毛!
ここまでたんぽぽに埋め尽くされた風景は始めてみました。
訪れたときは半分が刈られてしまっていましたが、もう少し時期が前だったら
校庭一面が真っ白あるいは黄色の風景が見れたことでしょう。
***
出発から約25km。
向かい風とアップダウンの連続に少々難儀したものの、
1時間半かけてようやくたどり着きました。
新郷村!!
キリストが眠る地という、青森どころか日本屈指のミステリースポット。
ついに足を踏み入れてしまった…。
この不思議が眠りまくっている村、心して行くぞ。
さっそくこれだよ。
現れたな謎看板。キリストの墓どころかピラミッドまであるのか…。
頭が追いつかない。
新郷村(しんごうむら)に信号は・・・あった。
宗教が混在しすぎている。
新郷村。
風景はよくあるのどかな山あいの村。
と思いきや、ところどころに姿を見せる不思議オブジェクト。
やはりここには…本当にキリストが…。
そして…
着いた…。
本当にあった…。公園になっているのか。
そして思ったより整備されている。
ちかくに自転車乗りは…なし。というか、観光客も自分だけ。
立地を考えれば当然か。
早速キリストの墓公園へ足を踏み入れたいところですが、
その前に寄らなければならないところが1つ。
✝キリストっぷ✝
キリストの墓の前にあり、日曜日の10:00~15:00しか開いていないという、
激レア売店。名前がギリギリを攻めている。
以前は土曜日も営業していたとのことですが、今は日曜日のみ。
お店の中にはキリストっぷのオリジナルアイテムが販売されています。
そして、今はキリストっぷにカフェが併設されています。
十和田市にある「Cafe SHO・BUON(カフェ ショボーン)」さんが
経営するカフェスタンド。
店員のお姉さん曰く、開店したのはかなり最近とのこと。
冬季は雪で営業できず、カフェもキリストっぷが開いているとき限定で、
こちらもかなりレアなお店。
「茨城から自転車で来た」「キリストの墓の先にピラミッドがある」など、
しばしの世間話を楽しみ、キリストの墓とピラミッドへ行ったあとに
寄らせてもらことを話して一旦お店をあとに。
せっかくなので手ぬぐいと巾着を購入。
どちらも今後のツーリングで使えそうだ。
お店の駐車場にある火の用心の看板。
ナニャドヤーラー。日本語…ではないよな…。
キリストっぷを後にし、いよいよキリストの墓へ。
新緑に囲まれた歩道を、自転車を押しながらのぼります。
単なる案内の看板なんだろうけど、なんだろうこのシュールさ。
坂を登ったところには洒落た建て構えの伝承館。
そして、その建物の正面から右へ視線を移すと…
盛り上がった土と、そこに建てられた十字架。
間違いない、これがキリストの墓だ…!
そして、キリストの墓の対面には、弟イスキリの墓。
弟!?
そんな話きいたことねーぞ!
だめだ、やっぱり頭がついていかない。
というわけで、キリストの墓伝説の詳細を見ていただこう。
『イエス・キリストは21歳のとき日本に渡り~』
初っ端からぶっちぎるのやめーや
ちなみに、兄キリストの墓標と弟イスキリの墓標の間には、
これはやはり、紛れもない事実。
やっぱり、キリストは青森に眠っていたんだ…!
インターネットの海に漂う噂をこの目で確かめることがついにできたところで、
伝承館に入ってさらなる歴史のお勉強。
伝承館の中には、キリストと縁のある新郷村の風習に関する展示がされています。
キリストの墓を代々守ってきた家系や、新郷村の方言とヘブライ語との共通点、
そしてキリストが日本にやってきたことを裏付ける文書「竹内文書」の複製など、
オカルトマニアにはたまらない貴重な展示がたくさん。
そして、これらの展示は一部を除いて撮影不可。
つまり、自分の脚で訪れ、自分の目で確かめなければ知ることのできない
事実があるということ。
キリストが日本に来ていたという事実は、君の目で確かめてくれ!
***
キリストの墓を後にし、一路ピラミッドへ。
キリストの墓から約8km、さらなる奥地へ進みます。
遠くにはおそらく十和田湖があるであろう山。
国道454号をそれ、名もなき道へ。
これまで平坦だった道が、一気に急勾配に。
ガーミンが示す勾配が軒並み10%超え。添えているだけの左脚も
つい力が入ってしまい、鋭い痛みが襲います。
普段なら気合で登りきってしまうところも、坂の途中で足をついてしまう始末。
!?
ピラミッドの入り口に着きました。
いい感じの山道を登っていきます。
着きました。やはり誰もいない。
青森が誇るピラミッド、「大石神ピラミッド」。
木々が立ち込める中に積まれた巨石群がピラミッドとなっているようです。
説明文を貼っておきます。
はえ~、日本最古なんですね。
しかもキリストの墓とちゃんと関連があるんですね。
怪しすぎる…。
膝は負傷していますが、せっかくなのでピラミッドの周りを散策してみます。
グルっと回って約15分。
初夏の木漏れ日が気持ちいいちょっとした散策。
SPDシューズで来てよかった。
ピラミッドといえばエジプトやマヤのきれいな四角錐を思い浮かべると思いますが、
この大石神ピラミッドはもっと原始的な形状と言えそうです。
昔の人は何を思ってこのピラミッドを作ったのか、あるいはピラミッドとして
見出したのか。
ロマンあふれる遺跡です。
***
50km/hオーバーで数十分かけて登ってきた坂をあっという間に下りきります。
ピラミッドへ向かうときには気が付かなかった看板。シュール。
キリストっぷまで戻ってくると、カフェのお姉さんがお出迎え。
宣言どおり戻ってきましたので、「キリストっぷブレンド」をいただきます。
時刻もちょうど昼飯時で、気温も30度をマーク。
冷たいアイスコーヒーが体に染みます。
ちなみにカフェのラインナップはこんな感じ。
ふと、キリストっぷにいたおばちゃんから差し入れが。
ちかくの小学校で運動会が有り、その時のお弁当が余ってしまったので
是非食べてほしい、とのこと!
おなかもペコちゃんだったのでありがたくいただくことに。
キリストっぷの軒下で、アイスコーヒーと差し入れお弁当のお昼タイム。
カフェのお姉さんとキリストっぷのおばちゃんとで世間話をしながらの
楽しいランチタイムでした。
***
この後は、キリストっぷの方々に別れを告げ、来た道を戻り、
輪行準備をして帰路に着きます。
八戸駅では、お土産として日本酒と会社へのお菓子を購入。
ついでに電車での暇つぶし用に書店でサイスポも購入。
帰りの電車では今回の旅行を振り返り…と思いましたが、案の定寝落ち。
サイスポも半分も読みきれず。
家に着き風呂に入って一息ついたところで、つい数時間前までは
青森にいた事、さらに1~2日前は国道6号をひたすら走り続けていたことを
思い返し、写真を見ながらつかの間の非日常に振り返ってみたり。
ネットの海は広大でいろんな情報を得ることができるけど、
自分の脚と五感で仕入れた情報は紛れもない事実として自分の糧となります。
自転車というのは、そういう”ナマ”の経験が得られる優れたツールだな
と思ったのが、今回の総括ということで。
そして最後に1つ、
キリストの墓は本当に青森にあった。
これが一番伝えたかった!!!
おわり!