秘境と名高い紀伊半島を巡ってきた話 Part.3
9/15(日)。
秘境紀伊半島ライド3日目が始まる。
前の日に買っておいた朝食を食べ、荷物をパッキングし、6:00前には出発。
この日も国道42号の海岸線をひたすら突っ走り、御坊市を目指す106㎞。
距離は短めですが、噂のアップダウン地獄と残暑によるスリップダメージを考えると安全な距離と言えるでしょう。
そして何より、道中絶対に寄りたいスポットがあるので、時間に余裕を持ちたいという狙いもあります。
そんなわけで、夜明け間もないの海岸線をひたすら進みます。
昨日の満月とはお別れ。
背後には今日の太陽。
出発してわずか5㎞ほどですが気になるスポットが。
昨年の房総半島ライドの時に訪れた「かつうら海中公園」と同じように、海の中の展望台がある施設。
水槽ではなく自然の海を生き生きと泳ぐ魚が見られる貴重なスポットです。
そしてここ串本海中公園はサンゴ礁を観察することができるのがポイントです。
黒潮による南からの温かい海流がすぐ沖合を流れていることで、冬でも水温が15℃を下回ることなく温かい環境が維持でき、本州中部という緯度ながらサンゴ礁が発達しているのだとか(公式HPより。)
たいへん魅力的なスポットながら、さすがに早朝は空いておらず今回はスルー。
残念。
またしばらく走っていると看板が目に入ったのでストップ。
サラシ首層。
潮が引いたときに見える岩が地面とつながっており、その様子が地面から頭が生えているように見えるから、こんな名前がついているのだとか。
なんてネーミングなんだ…。
そのサラシ首層の先に見えているふた山の島、双島(そうしま)。
奇岩の先に浮かぶ、ワンジュ(ハカマカズラ)が繁茂した島で、釣りやダイビングスポットとして最適だとか。
こんな風に、紀伊半島南西部は大小さまざまな奇岩や島々がたくさん存在しており、とにかく地形が独特で見ごたえあり、まったく景色に飽きることがありません。
昨日から海沿いをずっと走っていますが、間違いなく海岸線ルートのハイライトは串本町から先の紀伊半島南西部だと思います。
33-4。
33-4。
20㎞ほど走ったところで「道の駅 すさみ」で休憩。
太陽がだいぶ高くなり、日差しと気温がじりじりと体を焼いていきます。
ここには「エビとカニの水族館」なる施設が併設されています。
が、やはり朝は開いておらず。残念。
日が昇るにつれ海は青さを増し、草木はみるみる鮮やかに。
ずーっとこの景色。
1つ1つのコーナー、登坂のピークを超えるごとに見えてくる景色が楽しみで仕方ない。
青い海と青い空、緑の草木に黒い道。これほど夏にぴったりなコースがあるだろうか。(いやない、いやある。)
っと、道の駅を発見…?イノブータンランド…???
イノブータンランドについて調べてみた。
> 「道の駅・イノブータンランド・すさみ」は、
> 海岸線に沿って走る国道42号に面して立っています。
> 駅では写真パネル、大型テレビなどにより
> 「イノブータン王国」の紹介を行っているほか、
> 集落支援員による移住・定住に関する情報の提供、
> イベント・観光情報の発信を行っています。
(道の駅「イノブータンランド・すさみ」公式HPより)
イノブータン王国?????
調べてみた。
> 和歌山県すさみ町を領土とする
> ミニ独立国「イノブータン王国」へようこそ。
> 亡命して定住するのもよし、
> ひとときのやすらぎを求めるのもよし、
> ”真っ赤な太陽 碧い海の ユートピア”が
> あなたをお待ちしています。
(南紀すさみ イノブータン王国公式HPより)
和歌山さおっかねぇとこだ…⤴︎
王様がおられる。
突然のイノブータンランドに脳へ入り込む情報量がオーバーフローするところでしたが、引き続き紀伊半島南西部の景色をお楽しみください。
最高の眺めだよ、和歌山県すさみ町。
王様さっきも居たよね???
走り始めて47㎞。
やや海岸線を逸れ内陸を走っていると、道の駅があったので寄り道。
パンダだ…(かわいい)
パンダもね、好きな動物なんです。
この「道の駅 椿はなの湯」があるところは、和歌山県の白浜町。
白浜町にはアドベンチャーワールドという遊園地と動物園を合わせたテーマパークがあり、日本国内でもっとも多くパンダを飼育している施設です。
ちなみにパンダを飼育している動物園は国内で3つしかないとのこと。
自分はもっと国内のいろんな動物園で飼育されていると思っていました。
温泉売ってる…。
ボトルに入れようと思ったら販売単位が50L。無理無理。
椿温泉を通り過ぎると、海に張り出した白浜町のリゾート施設が見えてきます。
今回は南紀白浜ICの交差点から国道42号を逸れてそちらへ。
そう、アドベンチャーワールドへ。
パンダを見ること、これが今回のツーリングの目的の1つでもある!
アドベンチャーワールドへは斜度10%の登坂が立ちはだかります。
坂を上りきって到着。
入口からしてパンダがあふれている。よい…。
アドベンチャーワールドは自転車の駐車料金タダです。最高。
開演前からすごい人数。わくわくしてきた。
さぁ、一人アドベンチャーワールド、楽しむぞ。
券売機からパンダ成分。ちゃんと全部顔が違う。かわいい。
エントランスを出てパンダのいる建屋へ向かう途中、ゾウさんが水浴び中。
さすがのゾウさんもね、暑いからね。
アドベンチャーワールドにはパンダがいる建屋が2つあり、
1つは大人のパンダがいる「PANDA LOVE」、
もう1つが子どものパンダがいる「ブリーディングセンター」。
まずはPANDA LOVEから見ていきます。
いたー!!
こーれはかわいい。大きい体にたれ目に見える顔、これが癒しか。
のんびりした風貌がたまらなくたまらない。
貫禄のあるこのもこもこ、本当に愛くるしい。
1匹もらって帰ってもいいですか。
おおきなパンダの次はちびっこを見に行きましょう。
子どものパンダがいるブリーディングセンターへ行ってみると、PANDA LOVEとは比べ物にならないほどの人アンド人。行列アンド行列。
もちろん並びます。15分ほどで建屋の中へ。
パンダを模した扇風機が風を送ってくれます。
ちょっとずつ列が進み、だんだんと子パンダが見えてきました。
うおーちっちゃい!!
なんだこのかわいい生き物は…。
くったりしていたかと思えば元気に動き出してササをほお張ったり遊具で遊んだり。
後ろを向いちゃってもその姿がそれはそれでかわいい。
ずーっと見ていたいところですが、行列3往復で強制的に建屋外へ。
ガチ勢はたぶん何回も列に並びなおすでしょう。
ブリーディングセンターをほくほく顔で出ると、なんともかわいい柄の軽トラが。
あとでこのマスキングテープ買いました。
さて、パンダブースでかなり満足してしまいましたが、まだまだいろんな動物がいるので他の施設もめぐってみます。
手始めに海獣館へ。
大人になるととても凛々しい顔つきになります。
窓の外を眺めるヒゲペンギンさん。
飼育員のおねえさん。
ペンギンたちは慣れっこなのか何事もないかのように傍を歩いています。
んーーー。
ん?
飼育員のおにいさん。
やっぱりペンギンたちは平気な様子。
動物だけでなく、スタッフの方々が動物たちと接している様子を見るのもまた動物園の醍醐味ですね。
海獣館のあとはレストランで昼食を食べ、続けてサファリゾーンへ。
太陽も真上にきて灼熱状態ですが、サファリなのでOK。
このアドベンチャーワールドのサファリゾーンって、策がほとんどなく、ロープ1本で区切られているだけなんです。
そのため、動物の姿をまるまると大きく撮ることができます。
さすがにライオンはそうはいかないですけどね。
いやぁPENTAX K-5が唸ります。
サファリを出るころには、なんだかんだ4時間も園内で遊んでいました。
宿の到着時間を考えると、そろそろ出発の時間です。
名残惜しいのでもう一度PANDA LOVEへ。
あーーーかわいい。
ありがとう…ありがとう…。
せっかくなので愛車とパンダとの記念撮影。
名残惜しくもアドベンチャーワールドを後にし、今日の宿がある御坊市へ。
向かい風と無数のアップダウンにひたすら耐えながら、田辺市、みなべ町、印南町を経る約50㎞を進みます。
アドベンチャーワールド以降の道は地図で見ると海岸線を走っているように見えますが、実際は海を眺めながら走れるポイントが少なく、ビニールハウスの景色の中を淡々と走っていたような気がします。
その証拠か、写真もぜんぜん残っていませんでした。
いや、どちらかというとアドベンチャーワールドが楽しすぎてその後の風景にピンとこなかったのかもしれません。
あぁ、ガリガリ君食ったなぁってのは思い出しました。なおはずれ。
ただ、今回のルートと並走している紀伊本線。
アドベンチャーワールドから御坊市にかけての区間は今回走った国道42号よりも海に近い箇所を走っており、きっと車窓からの景色は素晴らしいんだろうなぁ、と予想。
今思えば、景色が素晴らしかった紀伊半島南西部~アドベンチャーワールドをもっとのんびりして、そこから御坊市までは輪行してしまってもよかったかもしれません。
なんて思いつつ、大体17:00ごろにはこの日の宿「フォレストイン御坊」さんに到着。
このお宿を選んだポイントは次の2つ。
1つ目は大浴場がついていること。これはもう風呂好きの自分としては外せない要素。
2つ目はコインランドリーが大変充実していること。
ここ最近のツーリングではコインランドリーが順番待ちになることが多かったのですが、ここはその心配はありません。
ゆうゆうとコインランドリーを回し、その間にひと風呂浴び、出てきたら洗濯物回収しつつ食堂で晩ご飯。
完璧な流れだぁ。
あ、ちなみに朝食・夕食付きで7,100円。リーズナブル。
夕食の鯖味噌・肉野菜炒め定食。こういうのでいいんだよ。
本州最南端の町から、風光明媚な紀伊半島南西部を抜け、アドベンチャーワールドでパンダを堪能した3日目。
間違いなく今回のツーリングのハイライトと言っても過言ではない満足区間。
1日目・2日目分も合わせて、もうここで終わってもいい、と思えるほど満たされた気持ちになっていました。
明日はどうすっかなぁ、のんびり起きて御坊から輪行で帰ろうかなぁ。
と布団の中で思いながら就寝。
つづく。