キリストの墓まで600km自走しようとしたけど失敗した話 Part.3
茨城~青森600kmライド。実走編その2。
本編は訳あって写真少なめ&短めな記事となります。
訳あって…。
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相馬市の銭湯、天宝の湯で一服したところからスタート。
「温泉」「仮眠」「食事」のリカバリー三段活用で、残りの350kmに望みます。
前回の記事はこちらからどうぞ。
動物が飛び出してくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら先を進みます。
宮城県に入ってからも、地形はそう変わらず、淡々と平地。
真っ暗ゆえ景色も見えず、VOLT800が照らすアスファルトと信号、看板、
対向車のヘッドライトを見続けるくらい。
それ故か襲いかかる眠気。
風呂入ったのに…仮眠取ったのに…飯食ったのに…。
飯食いすぎたか…?
眠気を感じたら朝に買ったブラックガムを噛み、
それでもだめならコンビニで仮眠&眠眠打破。
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それにしても、やはり夜になると冷え込みます。
アームウォーマー、レッグウォーマー、ウィンドブレーカー代わりの
レインウェアを羽織って対策しても冷たい風が体力を奪います。
そんなとき、ふと背中のポケットに入れてきた、タオル代わりの
手ぬぐいがあることを思い出します。
この手ぬぐいを首に巻いてみると…。
なんとあたたかいことか…!!
手ぬぐいを首にまとったことでパフォーマンスもアップ。
間違いなく、本ツーリングMVPアイテムだ。
タオルよりコンパクトで、いざというときは防寒にもなる手ぬぐい。
次のツーリングでも絶対持っていこう。(ちなみに柄はジンベエザメ)
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名取市を超えるころには、あたりは街頭きらめく市街地へ。
ということで、リスタートから45kmで仙台市に突入。
途端に興奮からか、眠気が吹き飛び身体が元気に。
仙台に入ってからの国道4号は舗装も大変きれいで路肩も広く、
非常に気持ちいい道路です。
でも、きっと夜で交通量も減ってるから快適なのであって、
日中は膨大な交通量で気を張って走らなければいけないんだろうなぁ。
快調に国道4号を飛ばしていたわけですが、東北本線と交差したあたりで、
ふいに左脚に違和感が。左ひざの外側、上側にかすかな痛み。
茨城からスタートして280km。
大休憩は入れたものの、さすがに疲労がきたかと思い、コンビニで様子見。
コーヒーで左の腿を温めたりマッサージしてみたり。
30分ほど脚を休めたので再出発。
少しは良くなったかと思いましたが、依然左膝に鈍い痛みが続きます。
七北田川を渡る頃には、ついには1回1回の曲げ伸ばしで鋭く痛むように。
途中、膝があまりに痛くなり、歩道に入ってストレッチ。
泉ICを超え、富谷市に入ったところで西友富谷店を発見。
きっと中には薬局があり、鎮痛剤があると思って…。
うわあああorz
そこには「薬剤師不在のため、医療品を販売することができません」と文字。
それはそうか…。時刻は23:50、薬剤師がいるはずもなく…。
試しに24時間営業しているドラッグストアをGoogleマップで探してみるも、
現在地からの近辺には見当たらず。
もはや歩くことすらままならない左脚。
もうだめだ…。この脚じゃ走れない…。
ついにTwitterでDNF宣言。
悔しいけど、膝の痛みが全く消えないのでDNFします… 歩くのも厳しいのでこの先青森までたどり着ける気がしない…
— nabeken (@BlacktightsNBKN) May 17, 2019
正直なところ、体力には十分な余裕があり、眠気を克服した今なら
第2休憩ポイントの北上市まで問題なく走れると思っていました。
それが膝の痛みで絶たれる現実。予想外の要因による敗北。
自転車に乗っていて、いままでで一番悔しい経験だったと思います。
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西友で朝を迎えるわけにも行かず、近くのネットカフェを検索。
すると、現在地から10km戻らなければないことが発覚。
使い物にならない左脚をかばいながら、今下ってきた坂を右脚だけで
登り返します。
ほんの数%の坂でさえ、インナーに入れなければ登れない始末。
どうしようもない情けなさで頭がいっぱいに。
途中で見つけたすき家で気晴らしの夜食。
きっと腹がいっぱいになれば、すこしは元気になるかと思って。
お腹も満たされたところで、残り数kmを走りきり、快活CLUB4号仙台泉店へ。
シャワーを浴び、リクライニングシートにもたれかかりながら眠りへ…。
全行程600kmの青森行きのロングライド。
ここまでの走行距離、300km。
つづく。