またパナモリを引っさげて乗鞍へ行ってきた話
興奮が冷めやらぬうちに。
10/5(土)。
また乗鞍へ行ってきた。
10月の1周目は乗鞍の紅葉が最高潮に達することは、前回来たときに体験済み。
今回は10/4(金)に休みを入れて前乗りしようと思っていましたが、仕事が忙しくなってしまい休めなくなってしまったため、退勤後そのまま長野へ直行。
(嬬恋ラリーのときもそうだったけど、楽しみにしている日に限って仕事になるのホントきつい)
常磐道→首都高→中央道を経由して、深夜の高速を駆け抜けます。
途中、談合坂SAで仮眠し、諏訪湖SAで食事。
スマホホルダー+ダイソーの遠隔シャッター、簡易的な車載カメラとしていい感じかも。
乗鞍観光センターに着いたのは朝の6:00。
目指す標高2,700m地点は見事な晴れ。最っ高だ。
流石に標高1500mの早朝なだけあってかなり寒い。
長袖インナー+アームカバー&レッグカバー+ウィンドブレーカーで固めます。
エコーラインが開くのは7:00からですが、我慢できず6:30にはヒルクライム開始。
6:45、エコーラインのゲートに到着。
ちょっと早く付きすぎました。
自分以外にも5~6人の自転車乗りがゲート開放待ち。
おっちゃんによるゲート開放。待ってましたァ。
開いたゲートの先は、ただ走り抜けるだけではあまりにも惜しい、青と、赤と、黄色の世界が広がっていました。
人間本当に素晴らしい景色を前にすると、「すごい」と「きれい」と「すごくきれい」しか感想が出てこなくなる…。
数百メートル進んでは止まって写真を撮り、また走り出しては写真を撮り。
肉眼だけで楽しむにはもったいない、カメラで切り取って持ち帰りたい景色がそこら中に広がっていました。
っと、通りすがりの自転車乗りの方が「撮ってあげますよ!」と声をかけてくれたので、お互いのカメラで写真撮影。ありがとうございます!
「またそのうち追いつかれますかね(笑)」なんて言いながらお先に出発。
10kmほど上ると、位ヶ原山荘へ到着。
前回は通り過ぎてしまいましたが、今回は立ち寄って一服していくことに。
こんな景色を見せられては、立ち止まらないという選択肢はありえない。
「たいやきあります」からの「たいやきください」。
甘味を頬張りながら紅葉と山頂と眺めながらの休憩、なんという贅沢。
ちまちまかじってはお茶をひとすすり、景色を眺めてはため息ひとつ。
たった10km走っただけなのにこの満足感はなんなんだ…。
一服し終えたところでエコーライン後半戦。
が、ここからも先もタダでは済まない…。
そう、森林限界である。
すごい。
もう思考は完全に停止状態。
走る、止まる、撮るだけの生き物と化してしまっていました。
眺める角度が少し変わるたびにファインダーを覗きたくなります。
結局、上り始めてから3時間半くらいかけて山頂へ到着。
よかった…本当に今日来てよかった。
鶴ヶ池もこの景色。
お約束の看板で1枚。
前回と場所が変わりましたね。
乗鞍バスターミナルの軽食コーナーで一服。
どうやら2階のレストランが今は営業していないようだったので、とりあえずおやきを1つ。
しかし、この後このおやきしか食べなかったことを後悔することに。
前回はこのままエコーラインを下って帰りましたが、今回はまだまだ時間があったので岐阜川のスカイラインへ行ってみることに。
いや、スカイラインもすごいなオイ。
とくに森林限界。ハイマツと岩が作る景観は長野側にはない良さ。
これは上り返してきたときの景色が楽しみだ。
当初は森林限界まで下って折り返してこようと思っていましたが、なんだかんだでスカイラインのゲートまで来てしまいました。
が、早朝にサービスエリアで食べた蕎麦と、位ヶ原山荘で食べたたいやき、そしてバスターミナルでのおやきしか補給を取っていなかったため、徐々に空腹感が。
これは…まずいかもしれない。
案の定、上り始めてから数kmでパワーダウン。
お腹はグーグー鳴っているし、脚も全然回らない。
息だけが上がり、数十~数百メートルごとに脚をつく始末。
そう、まさしくハンガーノックである。
やってしまった…。
補給食も無く、頼れるカロリーはボトルのドリンク飲み。
それも、暑さと空腹感でガンガン減っていく。
そもそもこの乗鞍スカイライン、ガーミンが示す勾配が8~12%がほとんど。
とんでもない難易度じゃないか…。
それでも景色はやはり素晴らしいわけで、脚を着き呼吸を整える合間に撮影。
そして、スカイラインを上り始めて10km。
限界が近いのか、意識がふわふわし始める…。
ついに地面に座り込む。
下ってくる自転車乗りたちに「がんばれー!」と応援されるも、まったく力を絞り出せず…。
あぁ、でも景色は本当に良い。
ガーミンが見せつけてくる10%超えの勾配と10km/h以下の走行スピードに嫌気が差し、表示を地図モードに切り替え。
数字は残酷である。
ちんたらペダルを回しながら、なんとか森林限界まで戻ることができました。
ガーミンの地図にも、畳平で折り返した地点が見えてきたので少し元気を取り戻す。
「早く飯が食いたい」。
その一心でペダルを踏み込む。一刻も早くカロリーを取りたい。
が、それでもカメラを構えるのはやはり乗鞍が見せるこの景色故か。
そして…。
戻ってきた…!
本日2回目の畳平。今日はもう上れない…。
それくらいに消耗していました。
脚はガクガクだけど、食事だけは摂らねば。
フラフラの脚で銀嶺荘の2階にあがり、レストランへ。
銀嶺荘の方は営業していたのか…。こっちで食べればよかった…。
「自転車定食ください!ステーキの方で!ご飯は大盛りでお願いします!!」
肉が焼けるまでの待ち遠しさに耐えきれず、サラダだけでご飯を食べ始める。
米がこんなにうまいとは…。
そしてじんわりと焼けてきた肉と、甘辛いタレを絡めてご飯と一緒に頬張る。
白飯と肉が消えるのにそう時間はかからなかった…。
念願の昼食を食べ終え、ちょっと一眠りすると、驚くほど脚が動くように。
意識の冴えももとに戻っている。
時刻は14:00過ぎ。
日も傾き始めたので、復活した体でエコーラインのダウンヒルへ突入。
下りながら見る景色もまた格別。
ダウンヒル中はヒルクライムほどカメラを構えられる余裕はないけど、それでも思わず脚を止めてしまうことがなんどか。
ホイールには申し訳ないが、これは仕方のないことなんだ…。
ほんの40~50分。
あっという間に観光センターに戻ってきてしまった。
ついさっき昼食を食べたばかりというのに、またお腹が空いてきてしまったので、カフェで間食。
水出しコーヒーに黒糖シロップをちょっと多めに入れてかき混ぜ、ふんわりバウムクーヘンを食べながらごくっと一口。うま。
カフェで一服した後は、観光センターのすぐ近くにある宿、「乗鞍ホテル山百合」さんへ。
このお宿が大変気に入りました。
畳敷きの部屋!モリモリの夕食!そしてなにより硫黄香る白く濁った温泉!!
湯加減も素晴らしく、夜も朝もじっくり楽しみました。
空いていたらぜひまた寄らせていただきたい…!
その後はビール一杯飲んで、布団でごろごろしていたらいつの間にか眠りの中へ。
人生2度目の乗鞍ライド。
2度目だというのに始めてきたときと全く遜色ない、いやそれ以上の満足感。
人々を魅了し呼び込むことはあっても、消して離すことはないだろう特別な場所。
来年も…くるか。
おわり。